Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans

Aozora Bunko

彼にも、老後の計はある。そろそろそれに就いても、考えていた。その一端が、長女の政子の縁談となって、思いがけなく、こんどの旅の途中で、下話しも纏まっていた。

彼は、先頃まで京都に在って、大番を勤めていた。その任期も終ったので、今は久しぶりに国許へ帰って来たところだった。息子たちは、その父を出迎えるために、早朝から三島まで赴き、健やかに帰って来た父の姿を囲んで、家人や荷駄の行列に交じって、いそいそ引っ返して来たのである。

「政子は、変りないか」

他のむすめ達もいるのに、時政の口から、特にその名だけが出たのは、旅先で纏まった縁組のはなしが、案じるともなく、それ以来、常に胸にあるからだった。

「はい、元気です」

宗時がいうと、そのうしろの黒駒の上から次男の義時が、

「元気すぎますよ。父上がいないので、毎日、奥の局の賑やかな事といったらありません。それでなくても、陽気なほうですからね」

と、つけ加えた。

――そうか、そうか。時政はそれで安心なのである。頷きながら笑っている。幾歳になっても、子どもは皆、子どもに見えるのだった。

けれど、政子にだけは、その観方が少しこんどの下向の途中から変っていた。