Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans

Aozora Bunko

「なにッ」

「失火だと」

すべての人が騒然と立った。わけて山木家の人々は狼狽を極めてみな出て行った。ここかしこの短檠や燈台の灯は煤をふいて暗く揺れ、火元の方の烈しい物音と共に、たちまち物凄い家鳴りがすべてをつつんでしまった。

――花嫁はしずかに四辺を見まわしていた。

そこの室に侍いていた女たちも皆、側を離れてどこかへ走って行った。

「…………」

彼女は、にこと笑んだ。

そして燭台の灯をふき消し、水のごとく人のいない部屋を歩いて行った。

山木家の侍がふとそれを見つけ、怪しみながら花嫁の後をつけて行った。政子は広間の次へ出たが、そこに明りが見えたので、廊を引っ返して、白い衣裳のまま、庭面へ走り出した。

「あっ。どこへっ」

組みついた者がある。政子は声もたてなかった。振向いて、その顔を見ると、山木家の家来なので、

「火を避けに行きます」

と、静かに云った。

「火は、大勢して、消しとめています。大事には立至りません。不審なご様子、邸外にお出し申すわけには参りませぬ」

「慮外であろう」

「何であろうと」

「お離し……」

「いや。お戻りください」

云い終ると共に、その侍は、いきなり政子の肩を荒々しく押し返した。