Classiques japonais avec furigana
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みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans
恋の旗
一
「北条家で隠したに違いない」
「時政の奸計だ」
「いや、父子狎れ合いの仕事と見ゆる」
山木方が、赫怒したのは当然である。また、当夜の事件をもって、政子の父たる時政へ、責任を問い、
「仕儀によっては」
と、弓矢に賭けても、聟の判官兼隆の面目を立ててみせると、一族どもが息まいたのも当然であった。
「必ずお顔を立てる」
時政は誓った。
そして娘の親として、
「何と、仰せられようとも、お詫びの仕方はない。面目次第もござらぬ。切腹いたしてもと思うが、死は易し、今この時政が相果てなば、いよいよ一家の者の当惑を加うるばかりで、意味はおざらぬ。――むしろ恥をしのんでも、必ず、憎ッくき吾儘娘を成敗して、聟殿のご面目を立てるに如くはない。……唯、しばらくのご堪忍を」
詫びる一手で押通していた。
その間、双方の親類が寄って、幾たびか、善後の処置とか、懸合い事とかの席でも、
「済まぬ。唯々申しわけない」
の一点張りで、時政は、平謝りに謝り通して来たものだった。
そうこうする間に、月日は過ぎて行くが、時政のいう謝罪の立証は、すこしも事実となって来ないので、山木家側の業を煮やすことは甚だしく、