Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans
北条家に、事情を書かせれば、当然、いいように歪曲して書き出すにちがいない、もうそれは六波羅に提出されているかもしれないのだ。
地方事情にうとい中央の役人は、公平を期するつもりか何かで、山木方の訴えと、北条家の中し分とを、書類のうえで見較べながら、日を過しているらしく察しられるのだった。
「何たることか」
と、山木兼隆は、歯がみをして毎日を送っていた。それが募ると、怏々として楽しまない人間になった。復讐の意志さえなくなって、人に面を見られるのも厭うようなふうに変って来た。
「今までは、庶民の訴訟や争いも、他人事として、よい加減に扱って来たが、わが身の上に降りかかって、初めて吏道の悪弊を知った。これも天罰だろう」
そう反省したりして来ると、彼はもう目代として、権力ばかりで地方民へ臨む六波羅の一吏員という仕事さえも、熱心には勤められなくなってしまった。
四
世間に何が起ろうと、配所はいつも幽寂な配所であった。知らぬ顔にしんとしていた。
その配所に、変った事が一つ起った。
雲雀が卵を孵した。
可愛らしい雛鳥が育ちはじめていた。
頼朝は、小禽など愛さない。配所は閑日の中にあっても、彼の胸に閑日はなかった。