Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans
気づまりで窮屈で、もしご機嫌でも損じれば大変だし――折角、福原へ行っても、身にも皮にもならないと一致して陰でこぼしているのである。
そんな心理は、入道は少しも知らないので、
「みな乗ったか。何……まだ化粧していると。化粧などは、車の中でいたせばよいに」
と、独り上機嫌になって――いや努めて機嫌よく気を取り直そうとして、簾の内から、従者に任せておけばよいような事まで、自身で世話をやくのであった。
ようやく支度が揃う。
十輛に余る牛車が西八条の門を出た。侍女や女童の文車だの弓長刀を持った側臣だのがつづいてゆく、大路へ出ればいつのまにか、前後に騎馬武者と千人近い兵がそれを護る列となっていた。
摂津の福原の別荘は、兵庫の海を園の前に、逆瀬川の水を殿楼の階下にとり入れていた。そこでは、都の白拍子や浪華の名ある遊君をあつめて美船を浮かべ、網を打たせ、夜は万燈を廊につらねて、敦盛が笛をふいたり、宗盛が舞ったりして、ついこの夏頃も、一門の公達がその風流やら芸事などを競いあって、入道相国に、
――夏の夜は短い。
と、託たしめた事もある。
ただひとり、その夜の歓楽にも見えなかったのは、もうその頃から体も悪かったが、快くてもいつでも嫌だと断る――長男の重盛だけであった。