Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans

Aozora Bunko

それ程、千葉一族が味方に加わるという事も、ここへ来てみるまでは、まだ半信半疑だったのである。

将士でさえ、そうであった程だから、顔に出さない頼朝の歓びも、内心はどれほどだったか分るまい。――その歓びの溢れがつい云わせたのであろう、頼朝は、その夜、猪鼻台の館の饗宴に臨んだ時、常胤の手を取って、

「何だか、自分までも、あなたの子息の一人かのような心地がする。以後、貴殿を以て、父とも思うぞ」

と、云った。

そう云われた常胤は、頼朝の世辞とは思いながらも、

「よい息子がまた殖えた。日本一の息子どのではあるまいか」

と、心からほくほくしたが、頼朝の側にいた北条時政は、何か、嫌な顔をしていた。――同じような巧い言葉を、かつて、頼朝の口から、自分もうけた事があるので、それが思いだされたのである。

城内に、一夜泊って、十八日の朝、頼朝はここから出発した。

すると、館の出口に、紺村濃の直垂に、小具足を附けて、跪いている若者がある。常胤の息子でもなし、孫とも見えないので、

「あれにおる者は?」

と、頼朝が訊ねると、常胤は、待っていたように、その若者へ、

「近う。――頼隆殿、近う」