Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(一)
吉川 英治
Lisez 三国志(一) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 309 839 caractères · 622 écrans
と、激怒して、「戦の第一に、全軍の鋭気をくじいた罪は浅くない」と、李粛を斬ってしまった。
李粛の首を、軍門に梟けるや、彼は自身、陣頭に立ち、またたくまに牛輔の軍を撃破した。
牛輔は、逃げ退いて、腹心の胡赤児という者へ、蒼くなってささやいた。
「呂布に出て来られては、とても勝てるものではない。いっそのこと、金銀をさらって、逃亡しようと思うが」
「そのことです。足もとの明るいうちだと、私も考えていたところで」
四、五名の従者だけをつれて、未明の陣地から脱走した。
だが、この主君の下にこの家来ありで、胡赤児は、途中の河べりまで来ると、川を渉りかけた牛輔を、不意に後ろから斬って、その首を掻き落してしまった。
そして、呂布の陣へ走り、
「牛輔の首を献じますから、私を取立てて下さい」と、降伏して出た。
だが、仲間の一人が、胡赤児が牛輔を殺したのは、金銀に目がくれて、それを奪おうためであると、陰へ廻って自白したので、呂布は、
「牛輔の首だけでは取立ててやるには不足だ。その首も出せ」
と、胡赤児を叱咤し、その場ですぐ彼をも馘ってしまった。
二
牛輔の死が伝えられた。また、それを殺した胡赤児も、呂布に斬られたという噂が聞えた。