Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lisez 三国志(七) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.

N1 · avancé · kanji et kana modernes · 371 916 caractères · 744 écrans

Aozora Bunko

「いやいや、まだ行くな」

曹操は、三度呼びとめた。そして今度は、穆順がかぶり直した帽子を引きちぎって、その下の髻を、髪の根まで掻きわけた。

「果たして!」

曹操は舌を鳴らした。一通の紙片があらわれたのだ。細字で綿密に書いてある。伏完の筆蹟で、むすめの伏皇后にあてたものであった。

――こよい秘かな内詔を拝して涙にくれた。何事も時節であるから、もうしばらく時を待つがよい。自分には期するところがある。遠き慮りを以て、蜀の玄徳と語らい、漢中の張魯を誘い、魏へ侵略の鉾を向けしむれば、曹操はかならず国外へ出て、兵事政策もすべて一方へ傾く。その虚を計って、内に密々同志を結び、一挙に大義を唱えて大事をなすならば、きっと成功を見るは疑いもない。帝のご宸襟もそのときには安んじ奉ることができよう。それまではかならず人に色を気どられ給うな。

文意はあらまし右のようなものだった。怒りの極度というものはかえって氷塊の如く冷やかである。曹操は一笑をたたえて、伏完の返簡を袖に納めると、

「そいつを拷問にかけろ」と、命じて、府へ立ち帰った。

夜明け頃、獄吏が、階下にひざまずいて、

「穆順を拷問にかけて、夜どおし責めましたが、一言も吐きません」