Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lisez 三国志(七) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.

N1 · avancé · kanji et kana modernes · 371 916 caractères · 744 écrans

Aozora Bunko

二

帝は目をふさいで、一語も発しない。諸葛瑾は、なお語をつづけて、

「関羽将軍の死も、蜀呉の葛藤も、つき詰めてみれば、みな魏の策略におどらされているに過ぎない。両大国が戦って、魏に漁夫の利を占めさせるなどは、実に愚の骨頂というものである。どうか、矛を収めて、以前の親善を呼びもどし、呉に帰っている呉妹夫人を、もういちど蜀の後宮へ容れられて、長く唇歯の国交を継続していただきたい。主人孫権の望みはそれ以外の何ものでもありません――」と、弁をふるって説きつづけた。

二

しかもなお、玄徳は、無言を守りきっている。諸葛瑾は、畢生の弁舌と智をしぼって、もう一言つけ加えてみた。

「陛下にも夙に、ご承知でありましょう。魏の曹丕の悪事を。――ついに漢帝を廃し、自身、帝位に昇って、億民を悲憤に哭かしめているではありませんか。いま、漢室の裔たる陛下が、仇を討つなら、魏をこそ討つべきで、その簒逆の罪も正し給わず、呉へ戦いを向けられては、大義を知らず、小義に逸る君かなと、一世のもの笑いにもなりましょう。そこをも深くご賢慮遊ばして……」

ここで玄徳は、くわっと眼をひらいて、瑾の能弁を手をもって制した。