Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lisez 三国志(七) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 371 916 caractères · 744 écrans
五
人々はみな孔明に服してはいたが、なお孔明の真意をふかく知りたく思うのであった。
五
知る人ぞ知る。
これが孔明の心であったろう。
だが、一夜親しく彼を訪ねて、蜀臣全体の不安を代表するかのように、それとなく、彼を諫めにきた太史周にたいして、彼の諭言は懇切をきわめた。
「いまです。今をおいて、北魏を討つときはないのです。魏はもともと、天富の地にめぐまれ、肥沃にして人馬強く、曹操以来、ここに三代、ようやく大国家の態をととのえて来ました。早くこれを討たなければ、とうてい彼を覆すことは不可能であるばかりでなく、わが蜀は自滅するほかありません」
と、まず天の時を説き、ひいて自国の備えに及んでは、
「なるほど、わが蜀はまだ弱小です。天下十三州のうちに、完全に蜀の領有している地は、益州一州しかないのですから、面積の上では魏とも呉とも比較にならない。従って兵員も不足、軍需資材も彼の比でないことはぜひもないことだ。けれど、乞う安んぜよ。多少の成算はある」
彼は、簿を取り寄せて、まだ誰にも打ち明けなかった、秘密の予備軍があることを初めて明らかにした。それは荊州以来、禄を送って、領外の随所に養っておいた浪人部隊と、南方そのほかの異境から集めて、趙雲や馬忠などに、ここ一年調練させていた外人部隊とであった。