Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志(七)

吉川 英治

Lisez 三国志(七) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.

N1 · avancé · kanji et kana modernes · 371 916 caractères · 744 écrans

Aozora Bunko

「ぜひもない宿命。せめてこよいは祭をせん。壇を設けよ」

と、白い唇から力なく言った。

翌朝。この地を立とうとすると、ひとりの若い大将が、白い戦袍をつけ、白銀の甲を着て、一隊の軍馬をひきいて、これへ急いで来た。

「張飛の嫡子、張苞です」

と名乗ったので、直ちに、玄徳の前へ導くと、玄徳は見て、

「オオ、父に似て、勇ましい若者。呉班とともに、朕の先陣に立つか」

と、悲しみのうちにも一つの歓びと、大いに気をとり直した様子であった。

張苞は答えていう。

「どうぞ先手の端にお加え下さい。そして父に代って、父に勝るてがらを立てなければ、父も九泉の下で浮かばれまいと思われます」

ところが同じ日に、関羽の次男関興も、一手の兵をつれて、この軍に会した。

玄徳は、関羽の子を見て、また涙を新たにした。

この大戦の門出に、余りに涙することばかり多いので、近側の大将は、

「――龍涙地に落つるは亢旱三年、という古言もあります。陛下、社稷の重きを思い給わば、何とぞ玉体をお損ね遊ばさぬように。そして努めて、士気の昂揚をご宸念あそばして下さい」

と、奏した。

「――いかにも」

玄徳もすぐ悟った。