Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(七)
吉川 英治
Lisez 三国志(七) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 371 916 caractères · 744 écrans
と、軍備を命じ出した。
何としたことか、その前夜から朝にかけては、猛獣部隊の猛獣が、終夜空を望んで咆哮していた。聞けば、戦に臨む前は一切餌断ちをして、猛獣群の腹を乾しておくのだとある。
翌日、大王はいよいよ陣頭に出た。例の白象に騎り、二振りの宝剣を横たえ、手に蔕のある鐘を持っていた。
蜀軍は愕いた。
「何だあれは?」
戦わぬうちから怯み立って見えたので、趙雲、魏延などが、井楼の上に昇ってみると、なるほど、兵の怯むのも無理はない。木鹿軍の兵は、その顔も皮膚も真っ黒で、まるで漆塗りの悪鬼羅刹に異ならない。しかも大王のうしろには、つながれた猛獣の群れが、尾を振り、雲を望んで咆えていた。
「魏延魏延、この年まで、おれはまだ、こんな敵に出会ったことがない。どういうことになるのだろう」
「いやそれがしも、初めてだ。ふしぎな軍隊もあるものだ」
さすがの二将も怪しみおそれて、にわかに、策も作戦も下し得ずにいるうち、白象の鞍上高々と見えた木鹿大王は、たちまち手の蔕鐘を打ち鳴らして、まず前列の鑓隊を突っ込み、両軍乱れ合うと見るやさらに烈しく鐘を乱打した。
機を計っていた猛獣隊は、一度に鎖を解き、或いは檻を開いた。