Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans

Aozora Bunko

「あいつ、一度こッぴどく、泣かしてくれねば」

と、憎む法師はあっても、

「あわれなる稚子」

などと可憐がる者はない。

平気なのだ。山には住んでも、僧侶の中には住んでいないと、行動で云っているような牛若の日常であった。

今日もである。

朝から遮那王のすがたが見えない。遮那王とは、近年、師の東光坊蓮忍が与えた名である。

「よし。こんな時だ」

三、四名の法師が、探しに出て行った。つかまえて懲らしてやる気であろう。十王堂の山門で、待っていた。

麓へ下りたものと見てそこにいたが、牛若は、裏山の谷から上って来た。逸はやく一人が見つけて、

「遮那ッ――」

と、呼びとめた。

かぞえ年十四だが、十一、二歳にしかみえない。相変らず裸足で泥まみれだ。鼻を垂らさなくなったのもつい近年である。

「なに……?」

戻って来る何気ない顔へ、

「何っていう言葉があるかっ。稚子もたくさんいるが、貴さまほど長上に対して、小生意気なやつはないぞ」

ひとりが呶鳴りつけた。

「…………」

牛若は、爪を噛んだ。

鼻の穴まで黒くしているが、その鼻すじは、ちんまりと小隆く、どこか母の常磐を思わせるところもあった。