Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
みなもとよりとも
源頼朝
吉川 英治
Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans
――が、今、小舎人が来て、政子へ告げて行った声を聞くと、
「……お姉君だけ?」
「そう。……そう聞えたが」
「お叱りではないかしら」
「どうであろう」
急に、不安に襲われて、末の妹は、そっと、帳のすきまから、政子の容子を、のぞき見した。
「お姉君は、どんな顔していらっしゃるの……。恐ろしそう?」
黙って、末の妹は、首を振った。そして、姉の耳へ、小さな声で云った。
「平気。――ちっとも」
そのまに、政子は庭へ降りた様子だった。侍女を退けてただひとりで、庭園の奥へ笑ってゆく姿が見えた。
母違いの妹たちも、政子とは決して不和ではなかった。
さっき、父の部屋で、総領の宗時から、留守中の政子の行いを聞いて、父が激怒していたことは、もうここへも分っていた。政子も知っていたし、ふたりの妹も知っていた。
「私たちには、お優しい父君が、あのようにお怒りなされたことはない。――それに、わざわざお山の方から姉君だけを呼びにおよこしなされた。何か、きついご折檻でもなさるおつもりではないかしら?」
妹たちは、廊を走って、母のすがたをさがし歩いた。
牧の方は、総領の宗時と、一室の内に、対い合って何か憂いに沈んでいた。