Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lisez 源頼朝 (みなもとよりとも) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 306 118 caractères · 613 écrans

Aozora Bunko

「そうか。鹿の攀じ登れる所なら、馬とて駈け落せぬことはあるまい」

「いえ、鹿なればこそで、馬や人では」

鷲尾の若者さえ危ぶんでいるのに、義経は耳にもかけない眉して云った。

「忠信、継信、空馬を二頭これへ曳いて来い」

五

「はっ。馬をですか」

――心得て、継信、忠信の兄弟は味方の七、八十騎がひそんでいる後方の林へ駈けて行った。

そのあいだ、義経は鞍のうえに静かな姿を見せていた。今は、もう何も雑念のない姿かに見える。海も空も一色のまま未だ明けない宇宙にむかって、駒を佇ませていた。

「九郎様」

誰か、馬のわきに、ひざまずいたようである。義経は、地を見て、

「まだおったか」

と、不興気に云った。

「へい」

吉次は、頭を下げ直した。京都から強って軍に従いて来て、三草山のてまえでも、ここから戻れと、厳しく叱られたが、なお別れかねて、遂にここまで、慕って来た彼であった。

「……へい。もうここで、帰らせていただきまする。商人の中では、随一の大胆者といわれた私ですが、なるほど、戦の場所とは、こうしたものか、すさまじさに胆もちぢみました。……てまえにはもう残念ながら、これから先のお供はできかねまする」