Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

二

「待った! 気の毒だが、その駕籠に用がある――」

二

「ヤッ! 狼藉者ッ!」

「人違いではないか。うろたえるな!」

「それッ、おのおの……」

いろいろな声が一時にわいて、侍たちは、ぴたりと駕籠を背に、立ちならんだ。

肩をやられた一人は、何か火急の用事のある人のように、タタタッと前のめりに、三枚橋を渡りきって、四、五間走ったところで、ぱったり倒れた。

一同は、そっちを振り向く余裕もなく、

「名乗れッ! われらは柳生対馬守藩中……」

「おウ、その柳生の駕籠と知って用があるのだ!」

すでに一人の血を味わった濡れ燕を、左膳は、ひだり手にだらりと下げて、よろめくように二、三歩、前へ出ながら、

「よウ、そ、その駕籠の中を一眼見せてくれ、壺でなかったら、おとなしく引き下がるから、よウ」

と、しなだれかかるように、侍たちへ肩を寄せてゆく。うすく笑いながら――。

内心に渦まく殺気を持てあまして、その一本腕がうずうずするとき、左膳はよく、こうした酔漢のような態度をとるのだ。

いわば。

丹下左膳がもっとも左膳らしい危険な状態に達した高潮。

とも知らない一人が、

「たわけッ!」

どなると同時に、フイと、おどるようなからだつき――足を開き、腰を沈ませたかと思うと、抜きうちに左膳の胴へ!