Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たんげさぜん

丹下左膳

林 不忘

Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate

Aozora Bunko

チョビ安の父?

と聞いて、長屋の人達は、びっくりした。

以前チョビ安は、このこけ猿騒動にまきこまれる前までは、やはり、とんがり長屋に巣を食って、夏は心太、冬は甘酒の呼び売りをしていたのだから、その身の上は、長屋の連中がみんな知っている――。

あたいの父はどこへ行った……あの唄も、みなの耳に胝ができるほど、朝晩聞かされたもので、このチョビ安には、父も母もないはず。

遠い伊賀の国の出生とだけで、そのわからぬ父母をたずねて、こうして江戸へ出て、幼い身空で苦労していると聞いたチョビ安。

その、チョビ安の父親が、この穴の下に埋められているというんだから、とんがり長屋の人々は、驚きのつぎに、ワアーッと歓声をあげました。

「オイ、安公の親父が見つかったんだとよ」

「ソレッ! チョビ安のおやじを助けろッ!」

貧しい人たちほど、涙ぐましいくらい、同情心が深いものです。

人の身の上が、ただちに自分の身の上なのだ。トンガリ長屋の連中は、もう一生懸命。男も女も、全身の力を腕へこめて穴を掘ってゆく。

ふだんはめっぽう喧嘩っぱやい、とんがり長屋の住人だが、この美しい人情の発露には、チョビ安も泣かされてしまいました。