Classici giapponesi con furigana
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みやもとむさし
宮本武蔵(七)
吉川 英治
Leggi 宮本武蔵(七) (みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 350.912 caratteri · 702 schermate
四
「なんにも……」
「今朝は」
「けさも」
「牢人どもに見つからずに来たか」
「おかしいのだよ、兵庫様。山住居していた牢人どもは、きのう悪戯をした女子が、後で柳生様のお城にいるお女中と分って、きっとこの後では、柳生衆が押しかけて来ると騒いで、夜のうちに、みんな山越えして何処へか行ってしまったとさ」
「ははは、そうか。……して、童。おまえは今朝、何しに来たな?」
「おらかい」
と、丑之助はやや羞恥んで――
「きのう木村様が、おらっちの山の自然薯を賞めてくれたで、けさ早く、おっ母にも手伝ってもらって、山芋を掘って持って来たんさ」
と、いった。
四
「そうか――」
兵庫は初めて、寂しさを顔から払った。お通を失った瞬間の空虚を、この純朴な山の少年に忘れ得たのである。
「ではきょうは、美味いとろろ汁が喰えるというものだな」
「兵庫様も好きなら、またいくらでも掘って来るが」
「はははは。そう気遣うには及ばん」
「きょうは、お通様は」
「今し方、江戸へ立った」
「え。江戸へ。……じゃあ、きのう頼んでおいたこと、兵庫様にも木村様にも、話しておいてくれなかったかなあ」
「何を頼んだのか」
「お城の仲間に使ってもらいたいことを」