Classici giapponesi con furigana
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たんげさぜん
丹下左膳
林 不忘
Leggi 丹下左膳 (たんげさぜん) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 196.229 caratteri · 389 schermate
いぶかしげにあたりを見まわした左膳、横の床に、まだあおい顔をして死人のごとく昏々とねむっている柳生源三郎に眼が行くと、
「オオ、貴公もぶじだったか」
まったく、奇跡というほかはない。
一条の穴から落ちこむ水は、刻々に量をまして、胸をひたし、首へせまり――ぬけ出るみちといっては、高い天井に、落ちてきたときの堅坑が、細くななめに通じているだけ、この生きうめの穴蔵が水びたしになっては!
左膳も源三郎も、そう覚悟をきめた。チョビ安は地面で、一人でかけまわっているらしいが、救いの手はのびてきそうもない。
頭の上には、三方子川の激流が流れている。
と、このとき、まるで最期の宣告をくだすように、その川底が破れ落ちたのである……すさまじい勢いで。
土砂と川水とが、一度にドッと落ちかかったのだが、そのあおりで流れ落ちる水に巻かれながら、左膳は無意識に三方子川へ浮かびあがったのである――たった一つの左腕に、ぐったりとなっている源三郎のからだを、しっかり抱きかかえたまま。
これが最期と思ったのが、かえって、生へひらく唯一の道だったのだ。
流れただようまも、左膳は源三郎をはなさなかった。