일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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みみずのたわこと

みみずのたはこと

徳冨 健次郎

徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면

아오조라 문고

七月下旬、莫斯科を立って、イルクツクで東清鉄道の客車に乗換え、莫斯科を立って十日目にチタを過ぎた。故国を去って唯四ヶ月、然しウラルを東に越すと急に汽車がまどろかしくなる。イルクツクで乗換えた汽車の中に支那人のボオイが居たのが嬉しかった。イルクツクから一駅毎に支那人を多く見た。チタでは殊に支那人が多く、満洲近い気もち十分であった。バイカル湖から一路上って来た汽車は、チタから少し下りになった。下り坂の速力早く、好い気もちになって窓から覗いて居ると、空にはあらぬ地の上の濃い碧色がさっと眼に映った。野生千鳥草の花である。彼は頭を突出して見まわした。鉄路の左右、人気も無い荒寥を極めた山坡に、見る眼も染むばかり濃碧の其花が、今を盛りに咲き誇ったり、やゝ老いて紫がかったり、まだ蕾んだり、何万何千数え切れぬ其花が汽車を迎えては送り、送りては迎えした。窓に凭れた彼は、気も遠くなる程其色に酔うたのであった。

然しながら碧色の草花の中で、彼はつゆ草の其れに優した美しい碧色を知らぬ。つゆ草、又の名はつき草、螢草、鴨跖草なぞ云って、草姿は見るに足らず、唯二弁より成る花は、全き花と云うよりも、いたずら子にられたあまりの花の断片か、小さな小さな碧色の蝶の唯かりそめに草にとまったかとも思われる。