후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
十
泰平有象村々酒。祭が繁昌すれば、田舎は長閑である。
十
十月だ。稲の秋。地は再び黄金の穂波が明るく照り渡る。早稲から米になって行く。性急に百舌鳥が鳴く。日が短くなる。赤蜻蛉が夕日の空に数限りもなく乱れる。柿が好い色に照って来る。ある寒い朝、不図見ると富士の北の一角に白いものが見える。雨でも降ったあとの冷たい朝には、水霜がある。
十月は雨の月だ。雨がつゞいたあとでは、雑木林に茸が立つ。野ら仕事をせぬ腰の曲った爺さんや、赤児を負ったお春っ子が、笊をかゝえて採りに来る。楢茸、湿地茸、稀に紅茸、初茸は滅多になく、多いのが油坊主と云う茸だ。一雨一雨に気は冷えて行く。田も林も日に/\色づいて行く。甘藷が掘られて、続々都へ運ばれる。田舎は金が乏しい。村会議員の石山さんも、一銭違うと謂うて甲州街道の馬車にも烏山から乗らずに山谷から乗る。だから、村の者が甘藷を出すにも、一貫目につき五厘も値がよければ、二里の幡ヶ谷に下ろすより四里の神田へ持って行く。
茶の花が咲く。雑木林の楢に絡む自然薯の蔓の葉が黄になり、藪からさし出る白膠木が眼ざむる様な赤になって、お納戸色の小さなコップを幾箇も列ねて竜胆が咲く。