후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
麦愁
耶蘇程の心力の強い人には出来そうな事だ。
夕方真紅な提灯の様な月が上った。雨になるかと思うたら、水の様な月夜になった。此の頃は宵毎に月が好い。夜もすがら蛙が鳴く。剖葦が鳴く。月に浸されて生活する我儕も、さながら深い静かな水の底に住んで居る心地がする。
(明治四十五年 六月一日)
麦愁
机に向うて、終日兀座。
外は今にも降りそうな空の下に、一村総出の麦収納。此方では鎌の音※々。彼方では昨日苅ったのを山の様に荷車に積んで行く。時々賑やかな笑声が響く。皆欣々として居る。労働の報酬が今来るのだ。嬉しい筈。
例年麦秋になると、美的百姓先生の煩悶がはじまる。余は之を自家の麦愁と名づける。先生の家にも、大麦小麦を合わせて一反そこらの麦の収納をするが、其れは人を傭うたりして直ぐ片づいてしまう。慰みにくるり棒を取った処で、大した事も無い。買った米を食う先生には、大麦の二俵三俵取れたところで、何でもないのだ。単純な充実した生活をする農家が今勝誇る麦秋の賑合の中に、気の多い美的百姓は肩身狭く、憊れた心と焦々した気分で自ら己を咀うて居る。さっぱりと身を捨てゝ真実の農にはなれず。