후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
五
五
朧月の夜、葛城家の使者と偽る彼は、房総線の一駅で下りて、車に乗ってお馨さんの家に往った。長い田舎町をぬけて、田圃沿いの街道を小一里も行って、田中路を小山の中に入って、其山ふところの行止りが其家であった。大きな長屋門の傍の潜りを入って、勝手口から名刺を出した。色の褪めた黒紋付の羽織を着た素足の大きな六十爺さんが出て来た。お馨さんの父者人であった。
其夜は烈しい風雨であった。十二畳の座敷に寝かされた彼は、夢を結び得なかった。明くる早々起きて雨戸をあけて見た。庭には大きな泉水を掘り、向うの小山を其まゝ庭にして、蘇鉄を植えたり、石段を甃んだり、石燈籠を据えたりしてある。下駄突かけて、裏の方に廻って見ると、小山の裾を鬼の窟の如く刳りぬいた物置がある。家は茅葺ながら岩畳な構えで、一切の模様が岩倉と云う其姓にふさわしい。まだ可なり吹き降りの中を、お馨さんによく似た十四五、十一二の少女が、片手に足駄を提げ、頭から肩掛をかぶり、跣足で小学校に出かけて行く。座敷に帰って、昼の光であらためて主翁と対面した。住居にふさわしい岩畳なかっぷくである。左の目が眇かと思うたら、其れは眼の皮がたるんでいるのであった。