후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
立派ではないが建て離しの納屋、浴室、窖室もあり、裏に鶏を飼い、水も掘井戸、山から引いたのと二通りもあって、贅沢はないが不自由もない住居だ。翁は此処に三男余作君、牧場創業以来の老功片山八重蔵君夫婦、片山夫人の弟にして在郷軍人たる田辺新之助君、及び其病妹と共に住んで居る。此処は十勝で、つい川向うが釧路、創業当時の草舎も其の川向にあって、今四男又一君が住んで居る。駅逓の前は直ぐ北見街道、其向うは草叢を拓いて牛馬舎一棟、人の住む矮い草舎が一棟。道側に大きなヤチダモが一樹黄葉して秋雨を滴らして居る。
駅逓東南隅の八畳が翁の居間である。硝子窓から形ばかり埒を結った自然のまゝの小庭や甘藍畑を見越して、黄葉のウエンシリ山をつい鼻のさき見る。小机一つ火の気の少ない箱火鉢一つ。床には小杉榲邨の「淡きもの味はへよとの親こゝろ共にしのびて昔かたらふ」と書いた幅を掛けてある。翁は今日も余等が寝て居る内に、山から引いた氷の様な水を浴び、香を焼いて神明に祈り、机の前に端座して老子を読んだのである。老子は翁の心読書、其についでは創世記、詩篇、約百記なぞも愛読書目の中にある。アブラハム、ヤコブなぞ遊牧族の老酋長の物語は、十勝の山中に牛馬と住む己が境涯に引くらべて、殊に興味が深いのであろう。