후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
心を傷ましめた。今其畑に来て見れば、直ぐ隣の畑には爺さんを追い払う云わば敵の展望台があたりを睥睨して立って居る。爺さんは昼は其望台の蔭で畑打ち、夜は望台の夢に魘わるゝことであろう。爺さんの寿命を日々夜々に縮めつゝあるものは、斯展望台である。余は爺さんに目礼して、展望台の立つ隣の畑に往った。茶と桑と二方を劃った畑の一部を無遠慮に踏み固めて、棕櫚縄素縄で丸太をからげ組み立てた十数間の高櫓に人は居なかった。余は上ろうか上るまいかと踟したが、終に女児と犬を下に残して片手欄を握りつゝ酒樽の薦を敷いた楷梯を上った。北へ、折れて西へ、折れて南へ、三重の楷梯を上って漸く頂上に達した。中々高い。頂は八分板を並べ、丈夫に床をかいてある。
余は思わず嗟嘆して見廻わした。好い見晴らしだ。武蔵野の此辺では、中々斯程の展望所は無い。望台を中心としてほゞ大円形をなした畑地は、一寸程になった麦の緑縞、甘藷を掘ったあとの紫がかった黒土、べったり緑青をなすった大根畑、明るい緑色の白菜畑、白っぽい黄色の晩陸稲、入乱れて八方に展開し、其周囲には霜に染みた雑木林、人家を包む樫木立、丈高い宮の赤松などが遠くなり近くなりくるり取巻いて居る。