후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
北を見ると、最早鉄軌を敷いた電鉄の線路が、烏山の木立の間に見え隠れ、此方のまだ枕木も敷かぬ部分には工夫が五六人鶴嘴を振り上げて居る。西を見れば、茶褐色に焦れた雑木山の向うに、濃い黛色の低い山が横長く出没して居る。多摩川の西岸を縁どる所謂多摩の横山で、川は見えぬが流れの筋は分明に指さゝれる。少し西北には、青梅から多摩川上流の山々が淡く見える。西南の方は、富士山も大山も曇った空に潜んで見えない。唯藍色の雲の間から、弱い弱い日脚が唯一筋斜に落ちて居る。
やゝ久しく吾を忘れて眺め入った余は、今京王電鉄が建てた墓地敷地展望台の上に立って居ることに気がついた。余は更に目をあげてあたりを見廻わした。此望台を中心として、二十万坪六十余町歩の耕地宅地を包囲して、南に東に北に西に規則正しく間隔を置いて高く樹梢に翻って居る十数流の紅白旗は、戦わずして已に勝を宣する占領旗かと疑われ、中央に突立ってあたり見下ろす展望台は、蠢爾としてこゝに耕す人と其住家とを呑んでかゝって威嚇して居る様で、余は此展望台に立つのが恥かしくなった。
雪空の様に曇りつゝ日は早や暮るに間もなくなった。