후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
篠原良平は「寄生木」の原稿を余に托し置いて、明治四十一年の秋悶死した。而して、恩人乃木将軍が其名を書いてくれた墓碣が故山に建てられた明治四十二年十二月小説寄生木が世に出た。即ち将軍は幕下の彼が為め死後の名を石に書き、彼は恩人の為に生前の断片的記伝を紙の上に立てた訳である。
余は寄生木を乃木大将に贈呈しなかった。然し伝聞する処によれば、将軍夫妻は読んだそうだ。将軍は巻中にある某の学資金は某大佐に渡したかと夫人に問い、夫人が渡しましたと答えた事、夫人は通読し終って、著者は一度も材料の為に訪われもしなかったに、よくも斯く精確に書かれた、と云われた事、を聞いた。精確な筈だ、記憶の好い本人良平が命がけで書いたのである。余は将軍夫妻の感想を聞く機会を有たなかった。然しながら寄生木を読んだ将軍夫妻は、生前顔を合わすれば棒立に立ってよくは口もきけず、幼年学校でも士官学校でも学科はなまけ、病気ばかりして、晩年には殊に謀叛気を見せて、恩義を弁えたらしくもなかった篠原良平が、案外深い感謝あり、理解あり、同情あり、而して個性あり、痛切な苦悶あり、要するに一個真面目の霊魂であったことを今更の様に発見したであろう。