후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
二十万坪の内八万坪、五十三名の地主の内十九名は、売渡承諾の契約書に調印してしまった。踟する者もあった。余はある人に斯う云うた、不用の地所があるなら兎も角、恰好の代地があったら格別、でなければ農が土を手放すは魚の水に離れるようなものだ、金なんか直ぐ泡の様に消えて了う、今更農をやめて転業するなぞは十が十堕落の原だ。
売らぬと云う側は、人数で関係地主の総数五十三人中の三十名、坪数で二十万坪の十二万坪を占めて居る。彼等の云い分はざッと斯様だ。東京が段々西へ寄って来て、豊多摩荏原の諸郡は追々市外宅地や工場等の場所になり、以前専ら穀作と養蚕でやって居た北多摩郡が豊多摩荏原に代って蔬菜や園芸品を作る様になり、土地の価は年々上って来て居る。然るに北多摩郡でも最も東京に近い千歳村の僅か五百五十町歩の畑地の中、地味も便利も屈指の六十余町歩、即ち畑地の一割強を不毛の寺院墓地にして了うのは、惜しいものだ。殊に寺院墓地の如き陰気なものに来られては、陽気な人間は来なくなり、多くなるものは農作物の大敵たる鳥雀の類ばかりだ。廿万坪の内には宅地もある。貧乏鬮を引当てた者は、祖先伝来の家屋敷や畑をすてゝ、代地と云えば近くて十丁以内にはなく、他郷に出るか、地所が不足では農をよして他に転業しなければならぬ者もあろう。