후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
其後故人も彼も前後に新聞社を出て、おの/\自家の路を歩み、顔を見ること稀に、消息を聞かぬ日多く打過ぎた。然し彼は一度故人と真剣の話をしたいと久しく思うて居た。日露戦争の終った年の暮、彼は一の心的革命を閲して、まさに東京を去り山に入る決心をして居た時、ある夜彼は新橋停車場の雑沓の中に故人を見出した。何処ぞへ出かけるところと覚しく、茶色の中折をかぶり、細巻の傘を持ち、瀟洒した洋装をして居た。彼は驚いた様な顔をして居る故人を片隅に引のけて、二分間の立話をした。彼は従来の疎隔を謝し、自愛を勧め、握手して別れた。これが最始の接近で、また最後の面会であった。
M君と彼の話は、故人の事から死生の問題に入った。心霊の交感、精神療法と、話は色々に移って往った。
彼等は久しく芝生の縁代で話した。M君が辞し去ったのは、夜も深けて十二時近かった。
彼はM君を八幡下まで送って別れた。夏ながら春の様なおぼろ月、谷向うの村は朦朧とうち煙り、田圃の蛙の声も夢を誘う様なおぼろ夜である。
「それじゃ」
「失礼」
駒下駄の音も次第に幽になって、浴衣姿の白いM君は吸わるゝ様に靄の中に消えた。