후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
あたり構わず突進する現代精神を具象した車である。但人通りが少ないので、此街道は自動車には理想的な道路と云ってよい。
豪徳寺附近に来ると、自動車は一かく入れた馬の如く、決勝点を眼の前に見る走者の如く、宛ながら眼をり、と口を結んで、疾風の如く駛せ出した。余は帽子に手を添えた。麦畑や、地蔵や、眼と口を一緒にあけた女の顔や、人の声や、眼まぐろしく駈けて来ては後へ飛ぶ。機関の響は心臓の乱拍子、車は一の砲弾の如く飄、倏と唸って飛ぶ。
「今三十五哩の速力です」
と運転手が云う。
余は痛快であった。自動車の意志は、さながら余に乗り移って、臆病者も一種の恍惚に入った。余は次第に大胆になった。自動車が余を載せて駈けるではなく、余自身が自動車を駆って斯く駛せて居るのだ。余は興に乗じた。運転手台に前途を睥睨して傲然として腰かけた。道があろうと、無かろうと、斯速力で世界の果まで驀地に駈けて見たくなった。山となく、野となく、人でも獣でもあらゆるものを乗り越え踏みつけ、唯真直に一文字に存分に駈けて駈けて駈けぬいて見たくなった。硝子戸の内を見かえれば、母は眼を閉じ、父は口を開き、姉と妻児は愉快そうに笑って話して居る。