후리가나로 읽는 일본 고전
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みみずのたわこと
みみずのたはこと
徳冨 健次郎
徳冨 健次郎의 みみずのたはこと(みみずのたわこと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 265,437자 · 530화면
彼は畳の上に退り、おかみは縁に腰かけた。
「旦那様、新聞に出て居りましてすか」
と息をはずませて彼女は云った。それは新宿で、床屋の亭主が、弟と密通した妻と弟とを剃刀で殺害した事を、彼女は何処からか聞いたのである。「余りだと思います」と彼女は剃刀の刃を己が肉にうけたかの様に切ない声で云った。
聞く彼の胸はドキリとした。今だ、とある声が囁いた。彼はおかみに向うて、巳代公は如何して唖になったか、と訊いた。おかみは、巳代が三歳までよく口をきいて居たら、ある日「おっかあ、お湯が飲みてえ」と云うたを最後の一言にして、医者にかけても薬を飲ましても甲斐が無く唖になって了うた、と言った。何の故か知って居るか、と畳みかけて訊くと、其頃飼った牛を不親切からつい殺してしまいました、其牛の祟りだと人が申すので、色々信心もして見ましたが、甲斐がありませんでした、と云う。巳代公ばかりじゃ無い、亥之公が盲になったのは如何したものだ、と彼は肉迫した。而して彼はさし俯くおかみに向うて、此家の最初の主の稲次郎と密通以来今日に到るまで彼女の不届の数々を烈しく責めた。彼女は終まで俯いて居た。