轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

むすめえんじゅつし

娘煙術師

国枝 史郎

「朝日新聞」1928(昭和3)年8月26日~1929(昭和4)年2月22日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 267,766 字 · 530 页

青空文庫

が、弟の少年武士には、かえってそれが不安そうであった。「その姉上のご行動も、私には心配でなりませぬ。やはり女子は女子らしく、おとなしくご行動なさいますほうが、およろしいように存ぜられます」こういってかたわらを振り返った。

そこに娘がすわっていた。二十歳ぐらいの年格好である。快活で無邪気で大胆らしい。

顔の表情や態度でわかる。さっきから黙って微笑をして、二人の話を耳にしていたが、行燈の前へ左手を差し出し、掌に載っている数十本の針の、数を右の指でかぞえ出した。「これが雄針、これが雌針、これが雄針、これが雌針……五十本の針さえ持っていたら、妾にはなんだって怖くはない。……鷲津七兵衛、泥子土之助、根岸兎角、逸見無車、妾は吹き針の業にかけたら、この人たちにだって負けない気だよ」

で、弟を振り返ったが、

「小次郎や、お前さんは優し過ぎるよ。もっとやんちゃになるがいいよ。この妾のようにお転婆におなり」またもや針を数え出した。この船も下流へすべって行く。

一間あまりの距離をおいて、二隻の屋形船がすべって行く。

と、小次郎が気がかりそうに訊ねた。「兄上、どちらへ参られますので?」