轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

「北海道新聞」1943(昭和18)年6月12日~12月20日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 155,541 字 · 305 页

青空文庫

藤尾は硬ばった顔をしてじっと障子のあなたをみまもっていた、あの射止めるようなまなざしである、額のあたりが石にでもなったように白く固くなってみえた。

「わたくしです」

「……え」

「わたくしを追って来たのです」

つきつめたような表情とは反対に、しずかな低いこえでそう云った。大助にもその意味はすぐにわかった。

「ああ討手のことですか」かれはわざと笑いながら、「兵馬さんが見たというのは本当かも知れませんね、脱藩者の追求はいまどこでも厳しいから、きっとそうでしょう、貴女がたのあとを跟けまわして、この箱根で網を張っていたのかも知れませんよ」

「わたくし会いましょう」

「会う、誰に会うんです、まさか討手に……いやそれは可笑しい」大助は手を振った、「貴女が会ってどうするんです、かれらが貴女と斬り合をするとでも思うんですか、冗談じゃない貴女には関わりのないことですよ」

「いいえ関わりはございます」藤尾はきっぱりと云った、「わたくしは柿崎藤尾でございます、兵馬の妹でございますもの、兄の罪はわたくしの罪、お咎めをうけるのは当然でございます」

「婦人の哲学ですね」大助はまたわざと笑った、「そんな罪科論より、問題は兵馬さんに罪があるかないかである、兵馬さんに罪科とよぶべきものがあれば、なるほど貴女もその咎をうけるがいいでしょう、しかし貴女は