轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

01 第一部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 159,223 字 · 320 页

青空文庫

」

「それっきりか。」

「氷で冷やしてやることもあるよ。」

「それっきりか。」

「まだいろいろあるさ。」

「いろいろってどんなことだい。」

次郎は、父が変に皮肉を言っているような気がして、少し腹が立った。で、それっきり返事をしないで、そっぽを向いてしまった。

俊亮は、しばらくその様子を見まもっていたが、急におさえつけるような口調で、

「次郎、そんなことじゃ、お前にはまだ母さんの看病は出来ない。お祖父さんがせっかくああおっしゃって下さるが、やっぱり父さんと町に帰ることにしたらどうだ。」

次郎は驚いて父を見た。それから正木老人を見た。しかし、二人共恐ろしく真面目な顔をして、彼を見つめているだけだった。彼はますますうろたえて、祖母とお延を見た。しかし、この二人もにこりともしないで口を結んでいる。

こんなことは、次郎にとって全くはじめてであった。これまで彼が困った場合、彼を救ってくれるのは、いつも俊亮であり、正木の老夫婦であった。お延にしても、謙蔵に対する気兼から、際立って彼に味方をすることはなかったが、心の中では彼の肩を持ってくれている一人に相違なかった。それが今日は申し合せたように、冷たい眼をして彼を見守っている。