轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
しんちょうき
新潮記
山本 周五郎
「北海道新聞」1943(昭和18)年6月12日~12月20日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 155,541 字 · 305 页
かれは藤尾から聞いたことをかいつまんで話した。竹亭寒笑が滝川内膳に脅やかされて大助の身辺を密偵したこと、寅寿が梅八をさそい出した始終、寒笑が三当旗を盗み出そうとしたことから、大助と秀之進へ探索をつけた事実がわかったことなど……。
「つまり内と外と両面から、讃岐守さまを縛ろうとしているわけです、滝川老職は亀阜荘さまを除こうともがいているし、寅寿はその事実を種に讃岐守さまの幕府における権勢を利用して、おのれの頽勢を立て直す手段に使おうとしている、つまり寅寿はもうそんな手段を選ばなければならぬところまで窮しているわけです」
「……もがきか」秀之進はぐっと宙をねめあげながら呟いた、「いずれにしても、悲劇は避けられない」
「その一つが、ここにもう届いていますよ」
大助は膝の上に置いてある手紙を取った。それは藤尾に託した梅八のものである。秀之進はふり向きもしなかったが、大助は構わずしずかに読みだした。
それは切々たる告白の文字だった。こころ急ぐから要点だけ書く、その手紙はそういう書きだしで、自分が愚であったために、寅寿という客の正体を察することもできず、大助の木曽ゆきがどんなに大事なことかも知らず、さそいに乗ってつい秘密をもらした、それがどんなに重大な結果になるかということは、柳さんの話を聞いてはじめてわかった、自分は