轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

「北海道新聞」1943(昭和18)年6月12日~12月20日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 155,541 字 · 305 页

青空文庫

ところから、な、まあ見ておいやれじゃ、はっははは」

寅寿の乗物を、小石川御門の外まで送っていった家士が戻るまで、さすがに内膳は局口から動くことができなかった。万一にも水戸藩士に発見されれば、寅寿の身の危険は直ちにその累を主家にまで及ぼすことになる。

――どうか無事で行きつけるように、局口の暗い片隅で、かれはひたすらそう念じていた。

送っていった家士の八巻三五郎は、しかしほどなく帰って来た。

「どうだった、無事にお越しか」

「はい御無事でございました」

「水戸家の者に気づかれたようすはないか」

「大丈夫でございます、唯今この表で見うけましたが、かれらはつい今、御門から出てゆくところでございました」

「そうか」それなら間違いはない、内膳はほっと息をついて接待所へもどった。

大峰と矢田部は秋山平蔵の家に匿まうことにきめ、両名をつれて御殿をさがるとすぐに使いをやった。平蔵は寅寿の来訪を知っていたとみえ、来るとすぐにそのことを問い質した。

「なにか大事でも起こってのことですか」

「大事と申す程ではないが、校川が先日どなりこんでまいったな」

「水戸家の咎人を両名匿まったと申す、あの件ですか」