轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんちょうき

新潮記

山本 周五郎

「北海道新聞」1943(昭和18)年6月12日~12月20日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 155,541 字 · 305 页

青空文庫

とひらき直った。

「なんだ、急に、今になって」

「蒙昧の説とはなんだ、その意味をはっきり聞こうじゃないか、どこが蒙味だ」

「そうむきになるなよ、おれは貴公の説を蒙味と云ったのじゃない、誰をもさして云ったんじゃない、むやみに夷狄を討てという、理非を弁ぜずただ夷狄を撃攘しろという説は蒙昧だというんだ」

「なぜ、どうして、どうしてそれが蒙昧なんだ、その説明をしろ」

「おい久木」太田という温厚そうな男がそばから制止した、「それは此処で討論しなくともいいだろう、未知の人もいるし……」

「未知であろうと既知であろうと日本人なら誰しも関心をもつべき問題だ、加地いいから説明しろ」

「では云おう、夷狄撃攘ということは、口でいうほど単純なものではない、祭礼の囃し文句ではないんだ」

「そんなことはわかってる」

「いやわかってはいないよ」加地という青年(このなかまで最も若く、どこか神経質らしい骨細のからだつきだった)は、ぐいと砂の上で坐り直した、「君たちはすぐに説をなして、日本を神聖の地とし異国人を蛮夷とする、しかもその言葉の内容は検討されたものではなくて、多くはそう云うこと自体のうちに満足を感じている、日本という国をまさしく理解しようとせず日本人という自覚もよくは徹底していない、ただみんながおなじ方向に顔を向けさえすれば、それでなにごとかが為さ