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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页

青空文庫

が、会って見れば少しも隔意がなく打解けていた。私は本より論壇の上にこそ紅葉と対敵したが、先方はどうあろうと私交上ではやはり親友のツモリでいたから、胸襟を開いて黒岩の意嚮を話し、紅葉一身の利害のために黒岩との提携を勧説した。紅葉もまた打解けて少しも蟠りがなく用件以外の四方山の世間咄をしてその夜を更かした。続いて同じ用件で数回の会見を重ね、或時は家では沈着いて相談が出来ないからと、半日余りも旗亭で談合した事もあった。その頃読売新聞の社内の空気が面白くなくて紅葉は不平満々だったから、その頃としてはレコード破りの有利な黒岩の招聘条件に紅葉も一時はグラグラ動揺し、いよいよ日を定めて黒岩と会見する段取にまでなったが、順序上先ず読売の最高顧問たる高田早苗に内々打明けた処が、「団十郎はやはり歌舞伎でなければ納まらんので、イクラ給金が良くても公園の舞台で踊っては名が廃れる」と理解され、九分通りまでグラグラしたが、結局名を惜んで思い留る事となって一と先ずこの相談を打切った。が、紅葉の心はその時既に読売新聞社を離れていたので、その時は高田の斡旋で引留条件の花を持たせられて一時中止したが、終に読売を去るようとなった。