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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
円福寺の椿岳の画
幸い無事に保存されていても今戸は震害地だったから地震の火事で焼けてしまったろう。
椿岳は晩年には『徒然草』を好んで、しばしば『徒然草』を画題とした。堀田伯爵のために描いた『徒然草』の貼交ぜ屏風一双は椿岳晩年の作として傑作の中に数うべきものであって、その下画らしいものが先年の椿岳展覧会にも二、三枚見えた。依田学海翁の漢文の椿岳伝が屏風の裏に貼ってあったそうだが、学海の椿岳伝は『譚海』の中にも載っていない。定めし椿岳の面目を躍如たらしめた奇文であったろうと思う。が、伯爵邸は地震の中心の本所であったから、屏風その物からして多分焼けてしまったろうし、学海の逸文もまた失われてしまったろう。
円福寺の椿岳の画
椿岳の大作ともいうべきは牛込の円福寺の本堂の格天井の蟠龍の図である。円福寺というは紅葉の旧棲たる横寺町の、本との芸術座の直ぐ傍の日蓮宗の寺である。この寺の先々住の日照というが椿岳の岳母榎本氏の出であったので、俗縁の関係上、明治十七、八年ごろ本堂が落成した時、椿岳は頼まれて本堂の格天井の画を描いた。
椿岳はこの依頼を受けると殆んど毎日東京の諸寺を駈巡って格天井の蟠龍を見て歩いた。