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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
十五 露都行及びその最後
十五 露都行及びその最後
露都行の抱負・入露後の消息、発病・帰朝・終焉・葬儀
こう決定してからは一日も早く文学と終始した不愉快な日本の生活から遁れるべく俄に急き立って、入露の準備をするために殆んど毎日、朝から晩まで朝野の名流を訪うて露国に関する外交上及び産業貿易上の意見を叩き、碌々家人と語る暇がなかったほどに奔走した。
いよいよ新橋を出発したのが四十一年の六月十二日であった。十四日にあたかも露西亜から帰着した後藤男を敦賀に迎え、その翌日は米原まで男爵と同車し、随行諸員を遠ざけて意見を交換したそうだ。如何なる意見が交換されたかは今なお不明であって、先年追悼会の席上後藤男自らの口からもその談話の内容を発表する事は出来ぬといわれたが、左に右くこの会見に由て男爵の知遇を得、多年の夙志が男爵の後援で遂げられそうな緒を得たのは明らかであった。
米原で後藤男の一行と別れて神戸へ行き、神戸から乗船して大連を経て入露の行程に上った。その途上小村外相の帰朝を大連に、駐日露国大使マレウイチの来任を哈爾賓に迎えて各々意見を交換した。これらの会見始末は精しく三山に通信して来たそうだが、また国際上の機微に渉るが故に世間に発表出来ないと三山はいっていた。