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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页

青空文庫

六 悲惨な最後

実をいったら美妙の方がリベラルで、紅葉の方が遥かにオーソドキシカルであったかも知れぬが、リベラルな美妙が人に嫌われてオーソドキシカルな紅葉がかえって人に親まれたというは紅葉の社交の才が勝れていたからで、文壇的には狭量偏固な鎖港攘夷党であっても、社交上には如才なく振舞って勢力を扶植し、硯友社以外にも多数の後援を擁していた。美妙はこれに反して自分から世間を狭くして友人にも遠ざかったから、文壇的にも社会的にも孤独無援の位置に落ちて、終に悲惨の生涯の幕を閉じた。

六 悲惨な最後

美妙の文壇生活の最高調は『都之花』時代であったが、社会生活としての最得意は平永町に新築した頃であったろう。駿河台の暗ぼったい旗本屋敷の長屋から移転したので、タシカ今の神田キネマの辺であった。軒並の町家の中で目立った相当に大きな門構えの二階建で、間数もかなり多かったらしい。木口は余り上等とも思わなかったが、左に右く木の香のする明るい新築だった。今と違ってマダ操觚者の報酬の薄かったその頃に三十になるかならぬかの文筆労働者でこれだけの家を建築したのは左も右くも成功者であった。

書斎は二階であったが、椅子テーブル式で、クローム画の額や、ブロンズや、西洋家具の古道具屋から仕入れたものをゴテゴテ列べ、何のツモリか知らぬが弾けもせぬヴァイオリンが壁へ掛け