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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
十一 朝日新聞社に入る
しかった。「こう早く戦争が初まるなら最う少し北京に辛抱しているのだった、」とは開戦当時私に洩らした述懐であった。
十一 朝日新聞社に入る
北京から帰朝したのは三十六年の七月で、帰ると間もなく脳貧血症に罹って田端に閑居静養した。三十七年の春、日露戦争が初まると間もなく三月の初め内藤湖南の紹介で大阪朝日新聞社に入社し、東京出張員として東露及び満州に関する調査と、露国新聞の最近情報の翻訳とを担任した。満洲及び北京から帰朝したての意気込もあり、豊富に資料も蓄えていたし、この調査には頗る興味を持って大に満足して職務を服した。
然るに新聞紙の材料は巧遅なるよりは拙速を重んじ、堂々たる大論文よりは新鮮なる零細の記事、深く考慮すべき含蓄ある説明よりは手取早く呑込む事の出来る記実、噛占めて益々味の出るものよりは舌の先きで甞めて直ぐ賞翫されるものが読者に受ける。新聞紙の寿命はただ一日であって、各項記事に対する読者の興味を持つはただ二分間か三分間である。この二分間三分間の興味を持たしめるのが新聞記者の技倆であって、十日一水を描き五日一石を描く苦辛は新聞記事には無用の徒労である。