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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页

青空文庫

椿岳の画の系統

が、正式に画を習い初めたのは淡島屋の養子となってから後であった。小さい時から長袖が志望であったというから、あるいは画師となって立派に門戸を張る心持がまるきりなかったとも限らないが、その頃は淡島屋も繁昌していたし、椿岳の兄の伊藤八兵衛は飛ぶ鳥を落す勢いであったから、画を生活のたつきとする目的よりはやはり金持の道楽として好きな道から慰みに初めたのであろうと思う。

椿岳の画の系統

椿岳が師と仰いで贄を執ったのは大西椿年であった。当時椿年は蔵前に画塾を開いていたので、椿年の画風を喜んだというよりは馬喰町の家から近かったのでその門に入ったのだろう。椿岳の号は即ち師の一字を許されたのであった。椿年は南岳の弟子で、南岳は応挙の高足源に学んだのだから、椿岳は応挙の正統の流れを汲んだ玄孫弟子であった。

馬喰町時代の椿岳の画は克明に師法を守って少しも疎そかにしなかった。その時代の若書きとして残ってるもの、例えば先年の椿岳展覧会に出品された淡島嘉兵衛旧蔵の飛燕凝粧の図の如きは純然たる椿年派であって奔放無礙の晩年の画ばかり知ってるものは一見して偽作と思うだろう。が、その家に伝わったもので、画は面白くなくても椿岳の師伝を証する作である。