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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页

青空文庫

が、実は最う小説どころでなかった。根本の人生の大問題が頭の中で渦を巻いていた。身に迫る生活上の苦労がヒシヒシと押寄せて来た。惰力で筆を執っていてもイツマデ経っても油が乗って来なかった。イクラ悶いても焦っても少しも緊張して来なかった。真剣勝負でなければ何にも出来ない人がどうしても真剣勝負の意気込になれなかった。

『浮雲』第三篇は作者の日記の端に書留めた腹案に由ると、お勢の堕落と文三の絶望とに終るのだが、発表されたものを見ると、腹案の半ばにも達しないで中途から尻切とんぼに打切られておる。恐らくはマダ発表するを欲しない未定稿であったろうと思う。尤もこの悶々の場合にこれより以上に玉成する事はとても出来なかったろう。かつ、二葉亭の性質として決して好い加減に書擲ったものではないだろうが、三方四方の不平不満が一時に殺到する心的葛藤に忙殺されていては、虚心坦懐に沈着いて推敲鍜練していられないのが当然であった。恐らく書肆に対する義理合上拠ろなしに自分でも満足しない未成の原稿をイヤイヤながら引渡したに違いないのは前後の事情から明瞭に推断される。

二葉亭の日記に由ると、第三篇の発表された『都之花』