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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
と二葉亭は苦り切っていた。(鈴木は日露戦争後は海軍を引退して実業界の諸方面に頭を突込んでいたが、位階勲等を持ってる軍人だから、置き物に祭り上げられるだけで一向花々しい成功もしなかったようだ。今はドウしているかサッパリ消息を聞かない。)
語学校の教授となったのはそれから間もなく、明治三十二年の九月であった。高等官の教授を栄としたわけではないが、露語科の主任たる恩師古川の推挙を満足して喜んで就任した。古川はその後いくばくもなく病気のため辞職したので、二葉亭は代って主任の椅子に坐した。
教師としての二葉亭は極めて叮寧親切であって、諸生の頭に徹底するまで反覆教授して少しも倦まなかった。だが、それよりもなおヨリ多く諸生を心服さしたのは二葉亭の鼓吹した学風であった。およそ語学は先ず民族の研究から初めなければならない必要と、日露の地理的関係から生ずる露語学者の特殊の使命というような事を語学を教授する傍ら常に怠たらず力説し、尋常語学の学習以上に露語学者としての特殊の気風を作るに少からず腐心した。同時に露語に交渉する各会社各事業から浦塩の商人にまで連絡をつけて卒業生の生活の便宜まで心配した。