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ふたばていよだん

新編 思い出す人々

内田 魯庵

内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页

青空文庫

徳永店員を初め在留日本人はこの報を得て喫驚し、重立つものが数人警察署へ出頭して嘆願し、二葉亭が徳永店員でない事を証明したので一時間経たない中に放還され、同時に二葉亭の身分や位置が解ったので、その晩巡査部長がわざわざ来訪して全く部下の一時の誤解であったから何分穏便にしてくれと平詫まりに陳謝して、事件は何でもなく容易に落着したが、詰らぬ事で飛んだ目に会った。二葉亭が軍事探偵の嫌疑で二タ月か三月も拘禁されたように噂され、これに関聯して秘密の使命を受けていたかのような想像説まで生じたのは多分この事が訛伝されたのであろう。事実は犬の間違であったのだ。

こんな咄にもならない馬鹿々々しい目に会って二葉亭は幾分か気を腐らせた。もともと初めから徳永商店に長く粘り着いてる心持はなく、徳永を踏台にして他の仕事を見付ける意でいたのだから、日本人の仕事が一も二もなく抑えつけられて手も足も出せない当時の哈爾賓の事情を見ては、この上永く沈着く気になれなくなった。そこで哈爾賓を中心として北満一帯東蒙古に到るの商工業、物産、貨物の集散、交通輸送の状況等を細さに調査した後、終に東清鉄道沿線の南満各地を視察しつつ大連、旅順から営口を経て北京へ行った。