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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
団匪事件の時、陸軍通訳として招集され、従軍中しばしば清廷の宗室大官と親近する中に計らずも粛親王の知遇を得たのが青雲の機縁となった。事件落着後清廷が目覚めて改革を行わんとするや、川島は粛親王府に厚聘されて警務学堂を創設し、毎期四百名の学生を養うて清国警察を補充し、啻に学堂教務を統ぶるのみならず学堂出身者の任命の詮衡及び進退黜陟等総てを委任するという重い権限で監督に任じた。当時の(あるいは今でも)支那の軍制は極めて不備であって、各省兵勇はあたかも烏合の無頼漢のようなものだったから、組織的に訓練された学堂出身の警吏は兵勇よりも信頼されて事実上軍務をも帯びていた。随ってこれを統率する川島の威権は我が警視総監以上であって、粛親王を背後の力として声威隆々中外を圧する勢いであった。
提調というは監督の下に総教習と聯び立つ学堂事務の総轄者であった。出納庶務から人事の一切を綜べ、学堂の機密にも参じ外部の交渉にも当って、あたかも大蔵と内務と外務とを兼掌していたから、任務は頗る重くて極めて困難であった。二葉亭は生中文名が高く在留日本人間にも聞えていたので、就任の風説あるや学堂の面々は皆小説家の提調を迎うるを喜ばなかった。