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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
この間に立って調停する楫取役を勤めたのは池辺三山であって、三山は力を尽して二葉亭を百方慰撫するに努めた。が、二葉亭が自ら本領を任ずる国際または経済的方面の研究調査にはやはり少しも同感しないで、二葉亭の不平を融和する旁ら、機会あるごとに力を文学方面に伸ばさしめようと婉曲に慫慂した。二葉亭は厚誼には感謝したが、同時に頗る慊らなく思っていた。
が、三山の親切に対して強て争う事も出来ずに不愉快な日を暮す間に、大阪の本社とは日に乖離するが東京の編輯局へは度々出入して自然親みを増し、折々編輯を助けて意外な新聞記者的技倆を示した事もあった。ポーツマウスの条約に挙国の不平が沸騰した時に偶然東京朝日の編輯局で書いた「ひとりごと」と題する桂首相の心理解剖の如きは前人未着手の試みで、頗る読者に受けたもんだ。(この一編は全集第四巻に載っておる。)あるいは前人未着手でないかも知れぬが、これほど巧みにこれほど小気味能く窮所を穿ったものは恐らく先人未言であったろう。二葉亭の直覚力と洞察力と政治的批評眼とがなければとても書けないものであった。あるいは不満足なる媾和に憤慨した余りの昂奮で筆が走ったので、平素の冷静な二葉亭ではかえって書けなかったかも知れない。