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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
自分が露西亜に行くのは朝日の通信員としてであるが、この機会を与えられたを幸いとして、及ばずながらも尽して見たいと思うはこの方面の努力で、甚だ不完全であるが聊かの経験ある露西亜語を利用して日露国民相互間の誤解を釈き、再び不祥の戦争がなからしむるように最善の努力を尽したいと思う。自分の微力を以てしては精衛海を填むる世間の物笑いを免かれんかも知れんが、及ばずながらもこれが自分の抱懐の一つである、」云々。
果して二葉亭のいう如くその頃の日露国民間に暗雲が低迷していたか否かは別であるが、国家を憂うる赤誠はこの一場の卓上話の端にも十分現われておる。出発前暇乞いに訪ねてくれた時も、露国へ行けば日本に通信する傍ら露国の新聞にも頻々投書して日本の文明及び国情を紹介し、場合に由れば講演をも開く意だから、ついては材料となるべき書籍を折々廻附してもらいたいといった。私は大いに同感を表して、取敢えず手許に有合わした『開国五十年史』を贈り、註文次第何でも送ると快諾したが、露西亜へ着いてから尚だ一回も註文を受ける間もない中に不起の病に取憑かれてしまった。朝日の通信員としてタイムスのブローウィツやマッケンジーを期すると同時に日本の平和のための福音使ともなろうとしたらしかったが、その抱負の一端だも実行の緒に就く遑がない中に思わぬ病のため