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ふたばていよだん
新編 思い出す人々
内田 魯庵
内田魯庵『新編 思い出す人々』。同一底本的分册已合并为一书。收入:二葉亭余談、淡島椿岳、鴎外博士の追憶、硯友社の勃興と道程、最後の大杉、斎藤緑雨、三十年前の島田沼南、美妙斎美妙、二葉亭四迷、二葉亭四迷の一生、二葉亭追録、明治の文学の開拓者、四十年前、露伴の出世咄。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 215,401 字 · 427 页
事がある。であるから坪内君は私の先生ではあるが、多勢の聴講者の中に交ってたッた二、三回しか講義を聞いただけの頗る薄い関係であるし、平生先生呼ばわりをされる事が嫌いな人だから一度も先生といった事はないけれども、たしかに明治二十二年頃の初対面以後今日まで始終往来して少からずお世話になってる。実に親切な人だ。親身になって世話をしてくれる。私はお世話になったが、お世話を甘受しなかった事もあるから、事に由ると世話甲斐のない男だと思われてるかも知れぬがシカシ心中では常にお世話になった事を感謝しておる。故二葉亭に関する坪内君の厚情は実に言舌を以て尽しがたいほどで、私如きは二葉亭とは最も親密に交際して精神上には非常に誘掖されてるにも関わらず、二葉亭に対していまだかつて何も酬うておらぬ。坪内君に対して実に恥入る。かつまた二葉亭に対して彼ほど厚情を寄せられるのを深く感謝しておる。
話は見当違いに飛んで終ったが、坪内君の世間に及ぼした勢力は非常なもので、いやしくも文芸に興味を持った当時の青年は、「文学士春の屋おぼろ」の名に奮起して身を文壇に投ずる志を立てた。例えば二葉亭の如き当時の造詣はむしろ坪内君を凌ぐに足るほどであったが、ツマリ「文学士春の屋おぼろ」